事業情報


関門航路の事業情報

整備計画

   関門航路の水深は、現在は概ね-13mを確保していますが、船舶の大型化に対応するため、関門航路の整備にあたっては事業効果の早期発現を目指しつつ、4万DWT(※)級の貨物船までが安全に航行できるように水深-14m化に向けた整備を進めていきます。
   (※)DWTとは、重量トン数のこと。船舶が積載できる貨物の重量を示すトン数。

整備の流れ

<1>深浅測量
   浚渫計画を作成するための水深測量をおこない、浅い場所を調査します。関門航路事務所が所有している測量船「海燕」により測量します。

<2>磁気探査
   機雷などの危険物が残っている可能性のある海域において、航路の浚渫工事をおこなう場合は、事前に危険物がないか確認する必要があります。
   関門航路及びその周辺には、戦争中に使われた機雷や爆弾などが残っているところがあります。そのような危険物が残っていないか、磁気によって調査します。
   ※関門周辺の海域に第二次世界大戦で投下された機雷は4,631個(防衛庁資料により)あり、平成12年度までに2,737個が引き上げられました。

<3>潜水探査
   磁気探査で反応した磁気量0.7μwd(マイクロウェーバー)以上の金属物体がある場所に潜水士が潜り、全て除去します。除去した後に再度磁気探査をおこない、危険物が残っていないか確認した後に、浚渫工事に着手します。

潜水探査状況図

<4>土質調査
   浚渫する場所の海底土砂がどのような土質なのかを調査します。海底土砂の種類によって、浚渫の方法、期間などを割り出します。

スパット台船型式 土質調査(スパット台船全景写真)

<5>浚渫工事
   海底の土砂の種類が岩盤以外は直営船のドラグサクション浚渫船「海翔丸」(かいしょうまる)で浚渫が可能です。
南東水道地区を中心に稼動しています。
  ドラグサクションとは、掃除機のように海底にドラグヘッドを降ろし、海底土砂をポンプで吸い上げる方式です。
  砂利や礫混じり土砂などの浚渫には、グラブ浚渫船も使用します。
   グラブ浚渫船は、グラブバケットで岩や土砂をつかみあげて浚渫します。
  グラブで直接掘れない岩盤については、重錘などで破砕した後にグラブ浚渫船で浚渫します。 

浚渫工事(ドラグサクション浚渫)   浚渫工事(グラブ浚渫)
ドラグサクション浚渫
 
グラブ浚渫

<6>補正測量
   浚渫した場所は水深を測量し、その結果を海上保安庁へ提出し、海上保安庁が海図を補正して、航路が拡幅、増深されたことを知らせます。

■整備効果

●運航時間短縮・燃料費削減の効果

 関門航路を運航すれば九州南側を迂回した時と比べて、運航時間短縮と燃料費削減効果があり、輸送コストの削減につながります。

コンテナ船による輸送コスト削減のイメージ      

 

●輸送量増加の効果

 輸送貨物量の増加に伴い大量輸送が可能となり、輸送コストの削減につながります。

コンテナ船による輸送コスト削減のイメージ
貨物船による輸送コスト削減のイメージ

●海難事故の減少効果

 関門航路では船舶の大型化に対応する増深整備に加え、航行船舶の安全性向上のため、拡幅や直線化を実施しております。
  拡幅や直線化後は、航路内で発生している海難事故が減少しました。

工事のお知らせ

工事のお知らせ