熊本港


熊本港について

厳しい自然条件を新技術で克服

熊本港は、熊本県の中央部を貫いて有明海に流れこむ白川と緑川に挟まれた熊飽海岸の地先に、人工島形式により熊本都市圏と直結した物流港湾として整備しているものです。

熊本港周辺海域は、港を建設するうえでは全国的にも希な厳しい自然条件(超 軟弱地盤 〔層厚 40 m〕、大 潮位差 〔 4.5 m〕)であり、明治初期の調査では港の建設が断念され、 三角港での築港が行われました。しかし、土木技術の発達によりこうした厳しい自然条件下でも港湾建設が可能となり、新港建設に対する多方面からの要望により、産業流通港としての計画が策定され、昭和 49 年 4 月重要港湾の指定を受け建設が始まりました。

熊本都市圏の物流・人流の拠点へ

その後、昭和54年に熊本県が連絡橋工事に着手して以来、平成5年のフェリー 岸壁(水深5m)完成とフェリー就航に続き、岸壁(水深4.5m及び5.5m)の供用に伴う中国等からの貨物船が入港、岸壁(水深7.5m)完成後の平成11年7月からは韓国(釜山港)とのコンテナ定期航路が開設され、さらに平成24年10月からは、待望のガントリークレーンの供用が開始されました。

人流面では平成5年3月の熊本港・長崎県の島原港へのフェリー就航、平成10年4月には高速フェリーが開設され、令和3年には年間約31万人の方々が利用する県内の拠点港となっています。

熊本市都市圏と直結した地理的優位性を生かしさらなる発展へ

熊本港は、九州のほぼ中央部に位置し、九州縦断自動車道や熊本都市圏へ30分程度でアクセス出来るなど道路ネットワークに優れており、都市圏背後に立地する企業の輸送拠点として九州産業の物流を支える役割を果たしています。

事業概要

熊本港は、中国、韓国をはじめとした東アジア諸国を対象に、熊本都市圏及び背後に立地する企業の取扱貨物(再生用資材、産業機械など)の輸送拠点となっています。荷役の効率化による利便性の向上や、航行船舶の安全性、定時制の確保を図り、企業の物流拠点として安定した経済活動を支えるため、航路(水深7.5m)の水深確保及び防波堤の延伸工事を進めています。

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熊本港のあゆみ

年月日
昭和46年9月 県熊本新港建設調査チーム組織、熊本港計画の策定開始
昭和48年12月 地方港湾として認可、港湾審議会第58回計画部会で港湾計画策定(新規)
昭和49年4月 重要港湾へ昇格、旧運輸省が実施設計調査開始
昭和54年3月 熊本県が橋梁(L=870m)工事に着手〔昭和62年3月完成〕
昭和57年4月 国の直轄事業として作業基地に着手〔昭和62年3月完成〕
昭和62年11月 港湾審議会第121回計画部会で港湾計画(昭和70年目標)を改訂
平成元年1月 熊本港工事事務所設置
平成5年3月 フェリー関連施設供用開始〔熊本~島原間フェリー就航、12便/日〕
平成7年3月 熊本港FAZ(輸入促進地域)承認〔くまもとファズ(株)設立〈平成7年8月〉〕
平成7年9月 岸壁(水深4.5m)第1・2バース供用開始〔国直轄事業〕
平成10年4月 熊本~島原間高速フェリー就航〔6便/日〕
平成10年8月 岸壁(水深5.5m)第1・2バース供用開始〔国直轄事業〕
平成11年6月 岸壁(水深5.5m)第3バース、岸壁(水深7.5m)第1バース供用開始〔国直轄事業〕
平成11年7月 コンテナ国際定期航路開設(釜山港間)
平成12年3月 港湾審議会第171回計画部会で港湾計画を改訂
平成13年4月 関税法上に基づき開港
平成18年6月 コンテナ国際定期航路延伸(上海~釜山~熊本港間)
平成24年10月 岸壁(水深7.5m)第1バースのガントリークレーン供用開始
平成24年12月 コンテナ国際定期航路(釜山港間)を週2便へ増便
平成28年4月 熊本地震発生時、九州地方整備局「海輝」「海煌」、海上保安庁「あまぎ」「こしき」による給水支援及びインフラ復旧支援車両の輸送やボランティア等の移動のためのアクセスとして利用された他、災害廃棄物の仮置場や広域海上輸送等にも利用
平成29年 外貿コンテナ取扱貨物量が初めて10,000TEUを突破

技術開発

軟着堤(なんちゃくてい)

軟弱地盤着定方式防波堤の略称で、堤体の重さを軽くするとともに、堤体面を広くして、海底地盤に伝わる荷重を小さくし、海底に杭を打って固定することによりコストのかかる地盤改良を不要としたものであり、建設コストの大幅な低減を実現しました。

さらに平成14年度に、設計手法の高度化を行い、新設計法では杭長を伸ばすことにより、40%以上のコスト縮減を達成することが可能となりました。

潜堤(せんてい)

潜堤(航路護岸)は、航路の両側に水面下に没した低い堤防を築くことにより、航路の埋没を防止しようとするもので、潜堤の構造としては、逆T字型のコンクリートブロックとし、ブロックとブロックの隙間は目地材でふさいでいます。

熊本港利用状況

熊本港全体貨物量の推移

外部コンテナ取扱貨物量の推移

クルーズ客船寄港実績 ※別のサイトへ移動します