〈現在の福岡空港の空港能力の評価〉
現在の福岡空港の空港能力としては、年間滑走路処理容量には若干余裕があるものの、旅客の利用や航空機の運航には制約が生じはじめています。
〈有効活用方策を施した場合の福岡空港の空港能力の評価〉
現空港敷地内で有効活用方策(平行誘導路二重化)を実施した場合、滑走路処理容量や旅客の利用・航空機の運航の制約が若干緩和されるにとどまることになります。
〜〜 滑走路処理容量 〜〜
年間滑走路処理容量
有効活用方策前
2003(平成15)年実績で約13.6万回の発着回数であり、福岡空港の年間滑走路処理容量14.5万回という前提のもとでは、約0.9万回程度の余力があります。しかし、過去のピークであった2001(平成13)年の発着回数は14.3万回であり、近年発着回数の余力は極めて低くなってきています。
有効活用方策後
福岡空港の年間滑走路処理容量が約3%向上し、14.9万回になるという前提のもとでは、2003(平成15)年の実績からみると約1.3万回、過去最高であった2001(平成13)年の実績14.3万回に対しては、約0.6万回の余力となります。
〜〜 航空サービス指標 〜〜
ピーク時増便可能数・可能率
 
過去(1993年)
現在(2003年)
有効活用方策前
(1時間あたりの滑走路処理容量が32回の場合)
現在(2003年)
有効活用方策後
(1時間あたりの滑走路処理容量が33回の場合)
6回・19%
ピーク時間数:0時間
0回・0%
ピーク時間数:2時間
0回・0%
ピーク時間数:1時間
評 価
・1997年から0回となっており最も需要が集中する時間帯で既に増便が不可能となっています。
・(有効活用方策を施した場合)ピーク時増便可能数に変化はありません。
・したがって、最も需要が集中する時間帯の利用者に対しては、混雑発生や満席により十分な航空サービスを提供できない状況が継続します。
 
路線増加可能数・可能率
 
過去(1993年)
現在(2003年)
有効活用方策前
(1時間あたりの滑走路処理容量が32回の場合)
現在(2003年)
有効活用方策後
(1時間あたりの滑走路処理容量が33回の場合)
(1日1便)
66路線・33%

(1日2便)
16路線・34%

(1日1便)
5路線・3%

(1日2便)
2路線・4%

(1日1便)
10路線・5%

(1日2便)
3路線・7%
評 価
・日帰り可能な路線の増加可能数(朝夕のピーク時間帯の双方に路線が就航できる数)は現在2路線です。2001年には一度0路線となっており、近い将来再度0路線となる可能性があります。
・(有効活用方策を施した場合)日帰り可能な1日2便の路線増加可能数は1路線増え3路線となります。
 
離着陸の混雑時間
 
過去(1993年)
現在(2003年)
有効活用方策前
(1時間あたりの滑走路処理容量が32回の場合)
現在(2003年)
有効活用方策後
(1時間あたりの滑走路処理容量が33回の場合)
1時間
(利用時間の7%)

11時間
(利用時間の73%)

10時間
(利用時間の67%)
評 価
・現在利用時間15時間中11時間が混雑時間(1時間あたりの滑走路処理容量の約8割を超える時間)です。
・特に朝に混雑時間が連続しており、遅延が生じやすくなっています。
・(有効活用方策を施した場合)混雑時間が連続する状況がほとんど解消されず、混雑による遅延が発生・伝播しやすい状況が継続します。
 
予約の取りづらさ
 
過去(1993年)
現在(2003年)
有効活用方策前
(1時間あたりの滑走路処理容量が32回の場合)
現在(2003年)
有効活用方策後
(1時間あたりの滑走路処理容量が33回の場合)
インターネット予約未導入であり現在と予約環境が異なるため比較データは作成していません。

羽田路線については搭乗率が90%以上となる便は前日に予約が取れない確率が50%を超えます。

(有効活用方策後の就航便数・搭乗率等不明のため評価対象から除きます。)